「片づけたいのに、なんだかうまくいかない」
そんな風に感じたことはありませんか。
今日は、私が“整理収納”に本気で向き合うようになったきっかけをお話しします。
■整頓好きだった子供時代
私は子供のころから整頓が大好きでした。
居間の食器棚の引き出しを引っ張り出しては中身を全部出し、きれいに収め直すのが楽しくて。
ひとり部屋をもらってからは、自分の空間をどう整えようかと考えるのが好きで、インテリア雑誌を眺めながら部屋の模様替えや家具の配置を楽しんでいました。
■結婚・育児で変化した「暮らしの優先順位」
結婚してからは家全体を自分好みで整えられることが嬉しくて、インテリアショップを巡ったり、雑貨を買い足したり。
部屋の見た目だけでなく、クローゼットや収納もきちんと整頓しているのは「当たり前」でした。
けれど、子供が生まれてから私の生活は変わっていきました。
育休を経て営業職として復職。
朝早くから夕方遅くまで仕事をし、休日は子どもとの時間を優先。
目の前の生活をこなすだけで精一杯の毎日でした。
家の中のことにまで気が回らず、気づけばモノがどんどん増えていって、部屋の中がいつの間にか雑然とした状態に。
「いつか使うだろう」と思って取っておいたものたちが、気がつけば“押し込められているだけ”になっていました。
■退職と引っ越し、そして気づきの瞬間
第二子の出産をきっかけに、私は育休中に退職を決意。
生活環境が大きく変わるタイミングで、家族で引っ越しをしました。
引っ越し準備で収納からモノを出したとき、思わず言葉を失いました。
出てくる出てくる、想像以上のモノの量。
「整頓好き」だった私は、スペースをうまく活用しようと詰め込み収納をしていたため、見えないところに多くのモノが溜まっていたのです。
きれいに“整えているつもり”だったけれど、それは「収めていただけ」だったことに気づきました。
気付けば一部屋には大きさや種類も様々なモノがたくさん詰まった状態に。
「いつか使うだろう・・・」と思っていたものが雑然と部屋に押し込められた状態でした。
■講座で出会った、たった一つの問い
退職後、育児の合間にさまざまな学びを始めた中で、特に心を惹かれたのが「整理収納アドバイザー」の講座でした。
「片付けが好きだから、きっと楽しいだろう」
そんな軽い気持ちで受講した講座の冒頭、講師が投げかけたひと言が、私の価値観を一変させました。
「整理をして、どのような暮らしをしたいですか?」
私は、それまで何百回も片付けをしてきました。
けれど、「どんな暮らしをしたいか」なんて、考えたことがなかったのです。
好きなインテリアに囲まれて、気持ちよく過ごしたい。
部屋がきれいだと、なんだか心も落ち着く。
——ただそれだけで、片付けをしていた日々。
けれど家族が増え、モノも暮らしも複雑になっていく中で、「整えること」は、自分の価値観を映し出す行為だと気づきました。
■“整える”とは、自分を大切にすること
時間も、空間も、人生も、すべては限りあるもの。
だからこそ、自分が何を大切にしたいのかを明確にし、優先順位をつけ、モノと丁寧に向き合う必要がある。
そのためには、「どう暮らしたいのか」という軸を持つことが大切なんだと、学びました。
私が整理収納に本気で向き合うようになったのは、
「人生をより良く生きたい」と思ったから。
モノと向き合うことは、自分の内側と向き合うことでもある。
そんな想いが、今の仕事にもつながっています。
あなたが「整えたい」と感じたのは、どんな瞬間でしたか?
整理収納は、ただ部屋を片付けるだけでなく、
「自分を大切にする暮らし」を育てていくためのツールでもあります。
これから少しずつ、「整えること」を通して見えてきた気づきや、暮らしのヒントをお届けしていきたいと思います。