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“できない”を“できる”に変える、小さな工夫と大きな思いやり

 

 

ある小学校の先生とお話ししていたとき、子どもたちの「片付け」について興味深い話を伺いました。

最近は、「片付けに必要なアクションの数が多いと、片付けられない子が増えている」とのこと。

 


たとえば、鉛筆や消しゴムを筆箱に戻すという、たった2ステップの動作──「筆箱のフタを開ける」→「元の場所にしまう」──

 

この2つの動作すら難しくて、結局机の上に出しっぱなしになり、そのまま床に落ちて行方不明になることもあるそうです。

 

しかも、机の上には他にもプリント、教科書、ノートなどがたくさん。
それらも一緒に落ちてしまい、結果的に「片付かない」状態になってしまうのだとか。

そこで先生は、ある工夫をされています。

 


それは、机の端に鉛筆や消しゴムが入る小さな箱をテープで固定すること

 

 

この話を聞いて、「アクションが増えると片付けられなくなる」という気づき、そして「片付けやすい仕組みを作る」という先生のアイデアに、とても感動しました。

 

 

 

 

 

何かが苦手な人に対して、「できるようにする」ためには、気合や根性ではなく、その人に合った工夫=ハードルを下げる仕組み作りが大切だと、改めて実感しました。

 

 

 

片付けの基本は、モノの「定位置」を決めて、「使ったら戻す」こと。
でもその定位置を考える際には、何よりも「その人にとって出し入れしやすいか」を優先することが大きなポイントです。

 

 

 

収納場所を考えるときのポイントは、以下の3つ:

  • 誰が使うのか?

  • いつ・どれくらいの頻度で使うのか?

  • どの場所で使うのか?(動線上にあるか)

これを意識して、よく使うものほど「取りやすく戻しやすい」位置に収納すると、片付けのハードルがぐっと下がります。
さらに、「収納用品」や「ラベル」を使ってわかりやすくすると、整理整頓のハードルはもっと下がっていきます。

 

 

出し入れしやすい収納をつくるには、人に合わせた工夫が必要です。


その工夫こそが**「アイデア」**。

そして「アイデア」には「アイ=愛」が込められているように思います。

 

 

 

 

 

思いやりを持って、相手の立場になって考えたアイデアこそが、誰もが気持ちよく過ごせる空間づくりにつながるのだと、先生のお話から改めて感じました。